Q:「家族信託と遺言書は何が違うのですか?」
浦安市でも、この質問をいただく機会が年々増えています。
結論から言うと、
★遺言書は「亡くなった後」のための準備。
〇家族信託は「生きている間」と「亡くなった後」の両方に備える制度です。
例えば、一人暮らしのAさん。
「将来認知症になったら、老人ホームの入居費用のために自宅を売却したい。」この場合、遺言書だけでは対応できません。認知症になると、自宅を売却する契約ができなくなる可能性があるためです。
一方、
家族信託を利用していれば、あらかじめ決めた家族が財産を管理・売却し、介護費用に充てることができます。
遺言書か家族信託かの選択ではないです。
最近では、「家族信託+遺言書」を組み合わせるケースが増えています。家族信託で認知症対策を行い、遺言書で信託していない財産や細かな想いを残すことで、生前から相続後まで切れ目なく備えることができます。
「遺言書を書いたから安心」と思われる方も少なくありません。しかし、認知症への備えまで考えると、遺言書だけでは十分とはいえない場合があります。浦安市でも高齢化が進む中、「相続対策」と「認知症対策」は別々に考えるのではなく、将来の暮らし全体を見据えて準備することが大切です。
まずはご自身の状況に合わせて、「遺言書が向いているのか」「家族信託も必要なのか」を専門家と一緒に確認することをおすすめします。
「遺言書なんて、まだ早いよ」
浦安でシニアの方とお話ししていると、こんな声をよく聞きます。
でも実は、
遺言書は「死ぬ直前に書くもの」ではありません。
元気で、自分の意思をしっかり伝えられるうちに準備しておくものです。
日本公証人連合会も、「判断能力がなくなってしまえば、もう遺言はできない」と説明しています。だからこそ、元気なうちの準備が大切なのです。
★例えば、浦安にお住まいのAさんの場合★
75歳のAさんには、長男と長女がいます。
財産は、自宅マンションと預貯金。
Aさんは、
「自宅は長男に任せたい。でも預貯金は、これまで近くで面倒を見てくれた長女にも残したい」
と考えていました。
ところが、「まだ元気だから」と遺言書を先延ばしにしていました。
数年後、
Aさんが認知症になり、判断能力が大きく低下したのです。このケースがほとんどです。
「やっぱり財産の分け方を決めておけばよかった」と思っても、本人が有効な遺言を作れる状態でなければ、新たに遺言書を作ることはできません。そしてAさんが亡くなった後、残された家族で話し合うことになります。
「お父さんは長男に自宅を残すつもりだった」
「いや、長女にも十分に渡したいと言っていた」・・・などなど、相続人間で意見が合わなくなるのが相続の最大の「あるある」の「争続」事件なんです。
こうなると、家族の間で意見が食い違う可能性があります。
「元気なうち」なら、後から変更もできますが、ここが遺言書の大切なポイントです。
「遺言書」一度書いたら変更できない、というものではありません。
家族関係や財産状況が変われば、遺言は撤回・変更できます。何度でも見直すことが可能です。
だからこそ、
「完璧な遺言書を今すぐ作らなければ」ではなく、まずは元気なうちに自分の意思を形にしておく。
これが大切なのです。
遺言書は「家族への最後のプレゼント」です。思いを伝えるメッセージツールなんです。
遺言書の本当の目的は、単に財産を分けることではありません。
「自分がいなくなった後、家族が困らないようにする」そのためのメッセージでもあります。
浦安でこれからも安心して暮らしていくために、
「まだ元気だから」ではなく、「まだ元気だからこそ」遺言書を書いておく。
これを、ぜひ覚えておいてください。
「自分の場合は、遺言書が必要なの?」
そう思ったら、まずは家族関係と財産を整理するところから始めてみましょう。